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2010年6月23日
住友電気工業株式会社
当社は、このほど、世界で初めて燃料電池の原理を応用したガス分解素子を用いた、アンモニアガス分解除害装置を開発しました。 今回開発したアンモニアガス分解除害装置は、NOxやCO2を排出することなく高濃度のアンモニアガスを除害することができます。また、従来装置と比べて小型化が可能であり、ガス分解で発生する電気エネルギーを設備運転電力に利用することで、ランニングコストの低減と省エネルギーを実現しています。
アンモニアガスは、水処理などの環境プラントや様々な化学工場で発生し多量の排気ガスとなっています。また、今後ますます拡大が見込まれる照明用白色LEDや窒化ガリウム半導体などの製造においては、原料として大量に使用されていますが、多くが排気ガス中に未反応のまま残存しています。現在、これらのプラントでは、排気ガス中に含まれるアンモニアガスを大気に放出する前に、それぞれ以下の特徴があるスクラバー(※1)、燃焼、触媒分解方式により環境排出基準以下に除害しています。
各処理方式の特徴
今回開発したガス分解除害装置では、集電体、マイナス極、固体電解質、プラス極、集電体の5層構造の素子を用いています。集電体には通気性と導電性に優れたニッケルセルメット(※2)、マイナス極には高性能酸化触媒であるナノニッケル(※3)という当社独自の材料を採用することにより高分解効率を実現しており、以下の特長があります。
(1)
高濃度アンモニアガスの分解が可能
高濃度(数十%以上)のアンモニアガスを、環境排出基準である25ppm以下に分解可能です。
(2)
NOx・CO2を排出しない
分解後のガスにはNOxは含まれず、また、燃焼除害方式に対して分解過程でLNG(液化天然ガス)を使用しないため、CO2排出量のゼロ化が可能です。
(3)
ランニングコストを低減
ガス分解時に発電した電力を、設備運転電力に還元することで、20%以上の省エネ運転が可能です。
(4)
設備の小型化が可能
今回開発した装置では、吸引ファンなどの動力源が不要なため、従来の同規模の燃焼除害装置より小型化を実現しました。
今後、当社の窒化ガリウム関連製品の生産開発工程に本装置を適用し、社内フィールドテストを進め、2011年度の実用化を目指します。また、本装置の導入により、窒化ガリウム生産開発工程では、CO2排出量を10%程度削減できる見込みです。
以上
スクラバー
:
水などの液体を洗浄液として、ガス中の粒子を洗浄液の液滴や液膜中に捕集して分離をする装置
ニッケルセルメット
高い気孔率を有するニッケル多孔質金属体
ナノニッケル
ナノサイズのニッケル金属微粉末
・セルメットは、住友電気工業株式会社の登録商標です。