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Researcher Clip - oct 04,2007 数値シミュレーションで開発速度と信頼性の向上を支え、グループ全体の技術力を高める 解析技術研究センター グループ長 渡辺 容子

解析技術研究センター グループ長 渡辺 容子 イメージ

1989年入社。入社時より解析技術に携わり、主にシミュレーション技術の開発を担当する。これまでに、熱流体解析や構造解析などにおいて数値シミュレーションを用いた製造設備設計やプロセス改善の支援を行う。工学部物理系出身。

01 研究内容 02 住友電工だからできること

研究内容

重要性が増す一途のシミュレーション技術
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 住友電工グループ製品の信頼性評価技術の開発と製造プロセスの改善を大きなテーマとして扱っています。ここ数年、シミュレーション技術に対する社内や関係会社からの期待は高まるばかりです。というのも、モノづくりにおけるスピードアップに対する要求が高まり続けているから。例えばFA機器における部品の場合、寿命予測をしようにも、実際に試験を行っていては数ヶ月からときには1年近くかかります。これでは顧客の要望に応えられません。そこで、コンピュータを使ったシミュレーションを行い、わずか1週間で同じ結果を出していくのです。

 また、研究開発の初期段階でシミュレーションを行うことも増えています。これは、その時点で取り組んでいる技術が「可能性」を秘めているのかどうかを見極めるため。「継続か路線変更か」という判断を早く行うことで、結果として製品化までの時間ロスが削減できるのです。

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 期間短縮が進む一方で、高品質化に対する要望も高まっています。そこで開発部門では、素材や形状、他の製品からの影響まで含め、微調整を繰り返しています。私たちはそれらの工夫が実際に効果のあるものなのかを調べ、どうすればさらに品質を高めることができるのかを提案しています。そうすることで、競争力のある製品づくりへと貢献しているのです。

寿命予測解析技術を確立。分野を越えて応用する

 このような状況の中、大きな成功となったのが自動車用ワイヤーハーネスの屈曲寿命予測技術を開発したことです。開発にあたっては、製品設計のCADデータをもとに、寿命予測に不要なデータを排除。要素分割などを行いながら、「どこにどのような力がかかるのか」を考えていきました。シミュレーションを行うにあたっては、ここが一番ポイントとなる部分なのですが、設計担当者との密接なコミュニケーションとそれまでに住友電工が蓄積してきたノウハウの活用により、最適な条件設定ができました。

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 また、ちょうど解析技術研究センターが、分析とCAEとの統合強化を図っていた時期であったことも大きな成功要因です。CAEが行う数値シミュレーションは、コンピュータを使った理論的な考察です。それに対して分析は、試作品をX線によって可視化するという、実物を使った観察です。この両輪が備わっていることで、開発部門への改善提案もより有効的なものになりました。何より、顧客への説明が非常に納得性の高いものになりました。

 この技術は、単に正確な寿命予測ができ、自動車メーカーとの取引につながったという以上の成果をもたらしました。家電製品やFA機器の開発時に同様の技術を応用できたのです。1つの分野で確立した技術を他分野に展開できれば、応用先での開発速度は飛躍的に向上します。そしてそれは、スピードと品質という2つの強みとなり、顧客への訴求力を高めます。事業領域をまたぐ技術活用の拠点となり、グループ全体の技術発展に貢献できたことは、私たちに期待される役割を十分に果たせた仕事だったと思います。

住友電工だからできること

タテ・ヨコ両方向での広がりが開発と応用のサイクルを加速させる
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 住友電工には材料開発から製品の量産まで、一貫した体制が備わっています。これはシミュレーション技術の開発に際しても大きな強みです。というのも、依頼を受けた工程の前後を視野に入れながらシミュレーションを行え、全体最適となる解を導き出しやすいからです。これは結果として、製品開発の期間短縮へとつながります。

 また、自動車や電線・機材・エネルギー、産業素材など、事業領域が多岐にわたっていることもシミュレーション技術の向上を後押ししています。領域が違っても、課題や要望が似通っていることがあります。そんなとき、過去の技術を応用し、素早く新たな技術を開発できるからです。

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 モノづくりの川上から川下、そして事業の領域を越えて関わっていく解析技術研究センターは、住友電工グループの“センター”となることを目指しています。そのためには、蓄積した技術を解析技術研究センター内だけにとどめることなく、グループ全体で広く活用できる仕組みづくりが重要になります。2005年からは、データベースの構築と活用を推し進めています。また2007年からは、開発部門の人材を一定期間留学形式で受け入れ、CAE技術を習得したうえで出身部門へと持ち帰ってもらう制度を導入しています。もちろん、私たち自身がさらに高い技術を確立できるよう、設備の拡充や社外の機関との連携も強化しています。これらの取り組みの成果として、グループ全体の技術力向上に貢献することが目標です。

専門用語紹介

▼ CAE
Computer Aided Engineering、工業製品の開発・設計などにコンピュータ技術を活用すること。設計支援システムや強度・耐熱性などの特性を計算する解析システム、シミュレーションシステムなどのことを指す。従来の試作・実験というプロセスを代替し、コストダウンと期間短縮に貢献するものとして普及と技術革新が進んでいる

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