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Researcher Clip - sep 14,2007 20年先を見据え通信インフラを守る信頼性技術に取り組む 伝送デバイス研究所光通信デバイス研究部デバイス解析・信頼性グループ グループ長 生駒暢之

伝送デバイス研究所光通信デバイス研究部デバイス解析・信頼性グループ グループ長 生駒暢之 イメージ

1988年入社。半導体デバイスの分析評価、STMによる結晶成長表面の観察などを経て2002年より光通信用高速レーザーダイオード(LD)の開発に従事。2006年度には、LDの開発で研究開発部門賞金賞を受賞。工学系研究科工業化学専攻。

01 研究内容 02 住友電工だからできること

研究内容

通信の高速大容量化にともない、信頼性の重要度は高まる一方
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 私が携わる情報通信の世界では、高速大容量化が進む一方です。FTTHが本格化し、光通信が普及してきました。この光通信において、電気信号である情報を通信用に光へ変換する際、LDといった私たちが携わる技術が活用されています。その中でも私は、長期間、安定してLDが作動するための信頼性に関する技術開発を行っています。

 インターネットが暮らしに欠かせないツールになった今、LDに不具合が生じるということは、すなわち世の中全体の活動を滞らせてしまうということを意味します。それだけに、LDは高性能化と並んで、安定して稼働する信頼性が欠かせないのです。まして現在のように大容量の情報を通信するには、レーザにかかる負荷も大きく、それを構成する材料も高いレベルの信頼性が求められます。例えば2年間使用した時点での不具合発生率という観点では、1000万個のうち5個が許容範囲というレベルを追求しています。また、経年劣化においても、20年後まで正常に作動することが求められています。

時間との戦いの中、不具合発生率を極限まで抑える
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 信頼性を検証するためには、製品を過酷な条件下に置き、意図的に劣化を進めて製品寿命を検証する加速試験を行います。しかしこの分野でも、顧客からの短納期に対する要望は高まるばかりで、それに応えるべく、加速試験の時間を短縮する開発速度の向上が重要な課題です。ここで「より早く」ばかりをやみくもに求め、加速試験の条件設定を厳しくしすぎると、実際の使用条件とは差が生じてしまいます。その結果としてデータは正確なものと言えなくなり、製品自体の信頼性を損なうことになりかねません。時間との戦いの中、より早く、なおかつ確実な信頼性を担保するための条件設定がもっとも難しいところです。

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 このような課題に対しては、解析グループと協力し、劣化のメカニズムをつぶさに把握することから解決の糸口を探っています。また、社内の他部署とコミュニケーションを密に取り、試作から試験、そしてフィードバックと改良という各プロセスで無駄な時間を生じさせない体制を整えることにより、開発スピードの向上を図っています。

住友電工だからできること

顧客との太いパイプが研究開発に活きる
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 住友電工らしさを端的に物語るものは2つあると思います。1つは材料開発から製造までの一貫体制。2つ目は長年をかけて培ってきた顧客との太いパイプです。前者はもちろんのこと、後者も研究開発のスピードアップにはとても役立っています。というのも、顧客が将来的に考えているビジネス戦略や、それを実現するために注力したい製品や技術に関する情報が、いち早く私たち技術者のところまで届くからです。これは、先輩たちが優れた製品を世に送り出し、それによって顧客から信頼を得てきた賜物です。信頼されているからこそ、将来に対する「ヒント」を得られる機会も多いのではないでしょうか。

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 かつて私は、光通信用高出力LDの開発において、信頼性を約100倍向上させるという成功体験を積むことができました。とはいえ当時と現在では、通信容量に大きな違いがあります。現在はNGN構想のもと、1つのLDで送信する通信容量は10Gbpsにもおよびます。このレベルにおいて、LDを事業化することが現在の目標です。そしてさらに、次に控える25Gbpsの時代にも対応しうるLDを開発したいと考えています。

専門用語紹介

▼ FTTH
Fiber To The Homeの略。光ファイバーを使った一般家庭向けのデータ通信サービス。高速大容量通信の形態として、現在、普及が進む

▼ NGN
Next Generation Networkの略。次世代通信網。電話網に替わる通信インフラとしてIP網を活用しようというもの。NGNでは、音声だけでなく、映像など、あらゆるデータ通信がIPに統合される

▼ Gbps
Gigabit per secondの略。1Gbpsは1秒間に10億(109)ビットの情報を送信できることを表す

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