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開発にあたってまず着目したのが、耐酸化性と耐摩耗性に優れるAlCrN膜です。ところがAlCrN膜だけではコーティングがはがれやすいという問題がありました。そこで、密着性と膜強度に優れた特性を持つTiAlN膜との組み合わせを考えたのです。具体的には、それぞれの素材を5nmごとに交互に積み重ね、合計1000層にもわたる超多層構造を開発しました。これにより、ユーザーが実際に使用する際に問題となりやすい、膜ピッチングが原因となる刃先の欠損を大幅に低減し、刃先の信頼性を高めることができたのです。
また、あらゆる加工条件でユーザーの期待を上回る性能を発揮できる商品とすることも大きな課題でした。というのも、ワークには鋳鉄や鋼からステンレス鋼まで、さまざまな種類があります。加工環境も、機械のセッティングが完全に調整された状態もあれば、振動など、外部条件の影響を受けやすい不安定な環境の場合もあります。研究室レベルではうかがい知れない使用環境に思いをはせ、テストを重ねることで研究結果を製品へと落とし込んでいきました。
こうして製品化された「スーパーZXコート」は、従来コートよりも40%高い硬度を有しています。また、膜の酸化が始まる温度も、約200度引き上げ1000度を超すことができました。そして、より強固な密着性も備わりました。これらの結果、工具の寿命は2倍に、そしてより高速で高能率な加工ができるようになったのです。
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