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材料開発に携わる私が取り組むのは、モータや変圧器に使われる鉄心材料の一種である、圧粉磁心です。現在、多くのパワーデバイスは駆動周波数が数100Hz以下で駆動しています。しかし、パワーデバイスに対する高速かつ高出力の駆動へのシフトへのニーズの高まりは確実視されています。具体的には、1kHz付近の高周波帯域で駆動するパワーデバイスです。この際、従来の鉄心材料である積層鋼板にとって替わる材料として注目されているのが、圧粉磁心なのです。この周波帯域では、積層鋼板はエネルギー損失(鉄損)を抑えるためには非常に薄い鋼板を積層しなくてはならず、コスト高になってしまいますからね。これに対して、圧粉磁心は鉄の粉末を焼き固めて成形するため、形状の自由度が高い。そのため、自動車に搭載するモータのように、小型化へのニーズに応えやすいという強みも持っています。
しかし圧粉磁心には課題もあります。それは、現状の多くのパワーデバイスの動作条件である低周波帯域における電磁変換時の鉄損が大きく、開発当初の材料では積層鋼板に対するメリットに欠けてしまうのです。高周波帯域に強いという既存のメリットに加え、低周波帯域でも鉄損を減らすことができれば、形状の自由さという優位性を武器に、全方位において積層鋼板にとって替わることができる—。それが、圧粉磁心を高特性化する狙いなのです。
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